2010年01月18日

こなたよりかなたまで

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 ようやくやりきったので、レビュる。F&Cらしい、ストーリー重視の神作。

 主人公は、末期ガンで死期間近の高校3年。物語は冬の初頭か秋の終わりくらい。「桜を見ることはできない」と宣告され、日々衰えていく体と抗癌剤治療の副作用と戦いながらも、暖かい仲間と残り少ない日々を過ごす。しかし、問題がないわけでもなかった。一番大切な、友達以上の女の子。彼女に、自分の状況を伝えていない・・・。そんな中、一人の外人の女を拾うのだが・・・。

 みたいな?以下ネタバレ含みレビュー。

 基本的には神作。ストーリーの骨子と、表現・雰囲気は文句なし。ただ、要所要所において「物足りなさ」を感じる部分はある。

 メインヒロインであるクリスには、ノーマルとTRUEの2ED用意されていて、どちらとも「春」を迎えたところの描写がある。これが、このゲーム・ストーリーの正しい終わり方。彼方が、どうなっているかはおいて置いて。

 佐倉・いずみ&優・九重のEDにはそれがないので、非常に物足りないというか、こういうゲーム&ストーリーなら、彼方の死とその後は描写するのが正道、っていうかしろよ。
 要所要所、プレイヤーの想像に任せるような表現が結構ある。「・・・・(声優は声に出しているが、あまり聞き取れない)」など、いい表現方法だとは思うけどそれをEDでやっちゃだめだろう。
 個人的に、「プレイヤーの想像に任せる終わり方」というのは物書きとして「逃げ」だと思っているので、この点だけが非常に残念。あとは文句なしで神作。


 途中のエントリでも我慢できずに書いたけど、非常に初期設定が重く、色々考えさせられるようなことが多々出てくるので、重い話が嫌いな人にはあんまりかもしれない。しかし、主人公が妙に達観してる感じ(に見えるだけ、本当にそうだと俺は思わないけど)なので、ストーリー自体はそんな〜には重くない。

「思う通りに生きるのは難しい」
「生きる」

 みたいなのが命題だと思うし、メインのクリスルートでは結構この感じが終盤ガンガン出てきます。
 個人的には、ファンディスクなり作って後日談みたいなAFを作って欲しいな〜って感じ。
 それがいいか悪いかは別にして、かなりさくっと終わる短いゲームなので(1ルート2時間ちょいかな?)、それが影響してる部分も多いとは思う。全体的に、描写・掘り下げ不足はいなめない。

 作品としては、85点くらいかな・・・。以下、各ヒロインルートごとにレビュー




○クリス
 メインヒロイン。吸血鬼、自称18歳。この手のゲームお決まりの「過去の約束」的なやつです。可愛いし、とりたてどうということはないね、普通。重い話が好きなので、この設定のゲームだからこなかなは大絶賛してるけど、クリスルートとしてみたら・・・微妙じゃね?と思わないでもない。いや、可愛いんだけどさ。全体的にどのルートも短いので、それが影響してる部分も大きいかもな。TRUE分岐も、ノーマルと最後が変わるだけで基本的な筋は一緒だしね。
 しかし唯一、「桜が咲く季節」の描写がEDにあるので、こなかなで一番まともな終わり方してるという意味では一番のルートかな。
 どのルートでもそうだけど、少〜し個別ルートが短か過ぎるかな。


○佐倉
 可愛いです。最高の幼馴染です。主人公が大好き。主人公も彼女が大好きっちゅうか愛してるんだけど、それ故に「自分、あと三ヶ月もしたら死にます」とは言えない。共有ルートから、その問題は浮上していて、結局ED直前までひっぱるという。んで、いざそれが彼女にバレて、仲直り(?)して、Hして終了。
 なんじゃそりゃ!?え?なんなのこの終わり方?クリスノーマルEDの次にクリアしたのが佐倉EDで、でこの終わり方。いやぁ・・・はっきり言ってないわ。

 佐倉は超絶に可愛いし、最高だよ。ストーリーも、終わる直前まではいいっていうかそこで終わるなっていうね。
 こういう土台でストーリー進めてるなら、「主人公の死を受け止めた上で、佐倉と主人公がどう生きていくか」っていうのをちゃんと書こうぜ。

 激しく投げっぱしジャーマンなルートです。佐倉は最高だけど、投げっぱしです。

 だが、(俺的)最強幼馴染の座をほなみん(はにはに)から奪い取るくらいに最強です。



○九重
 正直、いらない子。ストーリー的にはね、どうも後からとってつけたような気がするんだけどw多分、クリスルートの最後のつじつまあわせというかストーリーをスムーズに進めるためにあとからねじ込んだんじゃね?くらいに邪推もしてしまします。
 この子も佐倉と一緒で、「その後どうなったのよ?」っていう感じを残したままルートが終わる。ん〜・・・ね。

 ヒロインとしては、可愛いです最高ですクーデレ(デレ多め)みたいな感じだよ?最高だよ?ただなぁ・・・。ストーリーも、方向性はいいんだけど短くて描写不足イベント不足掘り下げ不足はかなり感じる。

 佐倉もそうだけど、クリスノーマルEDみたいに、春に彼方が死んだ後、たった一言でもいいから彼女たちの心境を読み取れるような言葉を呟かせるくらいはして欲しかったなぁ。



○いずみ&優
 ストーリー、矛盾してね?と思わないでもないルート・・・。彼女たちのルートは、「過去の回想」という感じで進むので、ゲーム開始より前の出来事がメイン。いかにして今に至ったのか、みたいなことを明かしていくんだけど・・・。
 彼女たちのルートで、「佐倉にこのまま何も伝えないわけにはいかない」みたいなことを思っているのに、共通ルート(時系列的には彼女達ルートの後)だとその思いはどこにいったのですか?って感じになってるんだけど。

 そして類にもれずに、このルートも描写不足かな。特に、いずみちゃんや看護婦達の心理描写や現状に至るまでの苦悩とか、そういう部分はもっともっと掘り下げてもよかったと思うのよね。

 優ちゃんは最高です、ロリロリです。超可愛いよ、超可愛い。





 総評


 と、ルート別だと結構ボロクソだな。何がいいんだろう・・・このゲーム。と冷静に考えるとよくわかんなくなるな。一応「泣きゲー」といわれてるらしいが、別に泣く場面もないよ。色々考えさせられる箇所はいくつかあるし、ストーリー命題についても色々な問題提起をしてくれる、プレイヤー自身に。そういう意味で、色々考えるゲーム。

 エロは無いに等しいし正直いらんね。各ヒロイン可愛いし、いずみちゃん以外は全員ツボったのでヒロイン・萌え要素では文句なし。
 ストーリーも、方向性土台では好みだし文句なし。ただ、非常にサブヒロインのEDが残念。というのが好みじゃないのかな?とにかく、佐倉と九重のストーリーの終わり方が気に入りません。

 前評判の高いF&C作品ということで、若干ハードルは高めで始めたっていうのもあるだろうし、序盤からこのストーリーや設定は好きだわっていうのもあったので、肩透かし的な感情もあると思うけど。ん〜・・・やっぱり個人的に佐倉と九重EDはないかな、作り直しを要求するw


 色々考えさせられるし、時間もかからずにけっこうサクっとやれるので、お勧めしたいゲームではある。胸にじわ〜と広がる、不思議な感情を持てる。そして、多分次の日からは人にやさしくなれる、そんなゲーム。


 何箇所か気に入らない部分はあるけど、それでも自分は神作だと思うし、人に勧められるゲーム。

 とりあえず最強幼馴染の佐倉と、ロリ一直線な優ちゃんの破壊力ぱねぇっす。


 遥彼方の望む、生き方。パッケージにそれは現れているんだけど、それが叶うということは永遠にない。少なくても、ゲーム中にそれが叶うということはありえません。ご都合主義全開で考えても、クリスTRUEで少しこうなるのかな?くらいです。

 日記の方で書いたので繰り返さないけど、「子供」。っていうものに関しても、非常に考えさせられた作品。
 そして、「今日がずっと続けばいいのに」という願望を否定する主人公の言葉にも、かなり考えさせられるものがありました。
 もちろん、ストーリーの根幹にある「思い通りに生きることは難しい」ということについても。


 ゲームそのものを楽しんだあと、それを受け取った自分の中でどう噛み締めるか。じわじわと広がっていく感情を推考し楽しむ。そんな、ゲームだと思います。
posted by シュレディンガーの猫 at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム(美少女・R18) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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