2010年06月13日

水夏A.S+ Eternal Name

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 さて、やり切りました水夏。感想、最高神ゲー。PS2版が廉価1000円以下で購入できるとかねーから。これは一度絶対やるべき、フルプライスしかなくてもそう言うと思う。

 むしろ、廉価版がある今は”やらないとか意味がわからない”と言えるくらいにいい作品でした。

 最終的には、泣きゲーってことでもいいんだけど、4章+外伝いくつかによるオムニバスに近い形式なので、章ごとに色が違ってその一言では少し括れません。
 各章に主人公ヒロインが居て、選択肢は物語の結末を変えるだけでヒロインは固定です。また各章同じ時間・場所を舞台としているので多少の関りはある場合もありますが話としては全章独立しています。

 物語全体の特色は、”死”ということにつきるかな。死、もしくはそれにまつわる夏の悲しいお話。
 全体的に明るいか暗いかで言えば暗いです。泣きゲーは総じてそうなるものだと思いますが。悲しい話です。だからこその泣きゲーでもあるんですが。


 以下ネタバレ存分に章別レビュー







○プロローグ

 まず最初の曲者ですねw物語への導入部なのですが、プロローグの主人公=第四章の主人公なので、続いて第一章に入った直後は主人公の変更に気がつけない。
 また第四章やるまでにかなり時間があくので、プロローグでの出来事を結構忘れたりもしちゃうんですよねwこれ必要か?とは思う。まぁこれがあるからこそ”第四章がメインです”と言えるとも思いますが。


○第一章

 神。最高です、水夏の中でストーリー的には一番だと思う。

 物語を進めて行く中でどんどんと謎が提示されていきます。水夏は全章同じような雰囲気なのですが、その謎や伏線の回収が唯一完璧なルートだと思いました。
 ただ、本気で謎解きや物語を理解しようとすると結構熟考が必要なストーリー、というか表現してます。最後の最後で謎がわかるんなら途中の疑問はどうでもいいってスタンスだと楽ですが、出てくる謎一つ一つに向き合うと結構大変な話になってます。ん?ってことはあれ?って感じで。
 自分みたいなプレイヤーはむしろそれが楽しかったりもするので決してマイナスな要因ではないのですが。

 過去の約束、果たせなかった約束。伝えられなかった言葉。都会から田舎の村へと越してきた少年と、ある双子の姉妹の物語。

 本当に、悲しいことに。物語は少年が都会へと帰った8年前既にに”完結”してしまっているということ。
 終盤に千夏が主人公に言いますが、主人公にとっては辛い出来事になってしまった。現代で語られるのは、ただその過去の出来事の回想と補完でしかないのです。

 ただ、もう少しラストは盛り上げてもよかったんじゃないかな〜って感じ。まあ小夜がいるから、あんまり盛り上げてもって思わないでもないですが。
 最後の小夜に対する主人公の対応は最高です、お前が神かw

 ただ、第四章のあるEDでは小夜の隣に主人公が、みたいな描写ありますけど。まぁ現実的に考えればそうだろうな〜と。あのまま小夜に何も言わずに、っていうのは現実的じゃない。
 サーカスのゲームに”現実的”とか求めてはいけないとわかっちゃいますが。

 冷静に考えて、ED後に主人公に課せられる使命を考えるとね。伊月とその母親の骨をあのままにはしておけない、となれば最後の肉親である小夜と関わらないとか無理だしね。
 でもそういう思考をすると、ゲームでの感動や胸にグッと来た感じが急激に冷めるから、なるべくやらないほうがいい。

 もう・・・伊月・・・。切ない、切な過ぎる・・・

 切ない、それでもどこか気持ちのいい。夏の悲恋歌。



○第二章

 これはルートで話の内容がガクっと分かれます。さやかルートは、本当に小さなすれ違いから生まれる疑心暗鬼。
 未絵ルートは、主人公の内面をモロに扱ったストーリー。

 さやかルートは本筋らしく謎だらけ、その消化は大道過ぎるくらいに大道。
 他の方のレビュー見ると大人気のさやか先輩。俺も好きだけど、この生い立ち性格のキャラだけになっかなか恋愛恋愛した感じにはなりませんね。未絵ルートもそうだけどw水夏全体として恋愛的な描写や流れは少し薄いと思う。

 だが、世のさやか人気に逆行して俺は叫ぶ。主人公の妹の萌こそが真の正義であると。萌ちゃん可愛いよ萌ちゃん。何このブラコン妹最高じゃな〜い!!

 と、思うんですが。萌ちゃん以外の人物精神的に破綻していますみんな(萌ちゃんも極度のブラコンでまともではないしな)。
 そこにすれ違いが生まれちゃったからてんやわんやなストーリー。あとから見てみれば、なんてことない。小さな小さなすれ違いなんですけどね。

 気になったところは一点、ある意味ストーリーでは重要なポジションの”少年”ですが、さやかルートと未絵ルートで扱いというか存在意義、キャラが違いすぎるのがなー。そこは未絵ルートやるとモロに違和感になりますね。

 主人公は未絵ルートでけっこう精神的なぼろが出るけど全章通して一番格好いい気がする。
 普通にエロゲーとしては変化球程度ですが、水夏の中ではちょっと浮いてるかもしれないストーリーです。

 死に行く人を誤解していることは、本当に悲しいですよね・・・。死ぬ前にせめて一瞬だけでも、わかり合えたら。両ルート通して語られるのはそんな小さな願いなのかもしれません。



○第三章

 最後にどんでん返し(衝撃の事実)があって、さらにそのあとに
物語の根底の出来事をひっくり返す衝撃の勘違いがあります。
 しかしやってる途中に生まれる謎はほぼ一つで、それがどんでん返しでもあるんですが。表向きは恋人と義妹との三角関係。最後の最後まで、これでやってられます。あくまで表向きは。

 表層は三角関係のドロドロした部分は見せずに進行しますが、最後までやりきって全ての真相をつかむとなんてドロドロした関係なんだと・・・。そんな感じですかね。女って怖ぇw

 ただ、過去の回想的なものが少ないので”どうやって今の人間関係にいたったのか”っていうのが謎のまま終わっちゃいます。3人の人間関係を扱うのであれば、出会いから今までの流れを少し説明するべきでは?と思う。
 主人公と茜の関係はそこそこあるんだけど、肝心の透子と義妹・主人公との過去の関係とかが全く出てこないので。そこが少しばかり消化不良ですね。

 ストーリー的に、最後の最後で明かされる真相に意味があるのか疑問だし。茜の想い人が、誰なのかとか物語の根底は覆るけどストーリー的などんでん返しではないので、その事実を与えたからといってプレイヤーとしてはどうしようもないんですよね。確かに予想外の事実だけど、・・・ん〜・・・で?っていう。

 全章通して”死”というものが色濃く出てくるけど、第三章は薄いですね登場しないわけじゃないけど。

 人間関係もののストーリーとしては描写不足、かといって他章のように物悲しくも美しいストーリーをかもし出してるわけでもないんで、自分としては一番微妙だったかなぁ。”現在ある想い”だけ提示されても、読者としては感情移入できないよね。”そこに至る過程”が不明瞭だとさ。

 主人公・茜・透子の過去の関係性。透子がここまで主人公を慕う理由。茜が、主人公と透子を慕う理由。その辺りがはっきりと見えてこないので、個人的にはなんとも言えない感じがしましたです。はい。



○第四章

「この女の子は我輩の獲物だ。だから、お前などお呼びではない」

 泣きゲー。四章だけ壮絶に泣きゲー。第四章だけ見れば、ただ純粋に泣きゲーとして括ってしまって問題ないような作り。過去の約束、主人公の過去、ヒロインの悲しい現実。みたいなものが上手く織り交ざりつつ、実にサーカスらしい現実的ではないファンタジックな設定。

 アルキメデスが格好良すぎます。ナーサリーライムでも”しゃべるぬいぐるみ”って出てきたけど、あんなん目じゃねーよ。

 お嬢可愛い、でもちょっちロリロリだぜ☆っていうね。

 ストーリーとしての謎はあんまりないんだけど、設定として練りこみ不足?というか少し首をかしげる部分があります。これは自分の読解力不足や読み飛ばしが原因かもしれないんであんまり大きい声で言えた義理ではないんですが。

 物語の根底にある”死神”という存在。それに対しての情報が少なく、”なんで?”っていうことがいくつかある。

 まずは、お嬢の体調不良の原因。いくつか推測はできるけどそれを確定させる描写はないので、あくまでも”この世界感と設定ならこんな感じじゃね?”程度に思うだけです。

 そして、これは0章でも言えるんだけど、EDに対しての謎。”死神”=彼岸へと運ばれなかった優しい魂。ってことは死んでるんですよ、外伝・始まりで明確に提示されてっけど、お嬢一回死んでるからね。
 それが、EDで普通の人間になっててHappyEndっていうのはどういうこっちゃねんw
 そこに至るまでの”奇跡”というのがまるで描かれていません。あくまで物語はお嬢の忘れ物探しです。人間だった頃に忘れたものを死神になって取りに来たというならまだわかるのですが、忘れたのも死神の時だしね・・・。
 転生に繋がるまでの過程が綺麗さっぱり抜けてしまっているので、感動が冷めて頭が疑問で一杯になります。

 死を予定していたちひろの生存は、きちんと理由が描かれてるのにな〜。

 一周目は切ない物語に涙するんだけど、終わってふとわれに返るとアレ?みたいなね。

 なんでこいつ生きてるの?っていうEDもありますし。ご都合主義っていうのはその理由が都合よすぎるだろwっていうものに対して当てはめる言葉であって、そもそもその理由すら提示されないとかなんて言えばいんだろうね・・・。


 ってな感じで、ストーリー・登場人物・雰囲気共に最高なんだけど、物語として首をかしげる点がいくつか見えたのでちょっと純粋には評価できないかなぁ。っていうのが正直なところです。
 まぁそれを加味してもすばらしいストーリー、表現で十分だから困るのよね。



○外伝・サイドストーリー

 水夏0章は、本編とは全く関係ない別の死神のお話。水夏っぽくいいですね、本編の雰囲気と趣旨は見事に踏襲している。
 ただ、四章と同じく最後になんで?ってなるので・・・うん。四章と同じ感じです個人的感想は。面白いし素晴らしい物語ではあるんだけどね・・・

 夏休みのメリークリスマスは、うん萌ちゃん可愛いよ萌ちゃん!最高だね萌ちゃん・・・っていう。

 外伝・始まり。お嬢が死神になった時の物語、アルキメデスとの出会い。
 ここで語られるかな〜って期待はしていたんだけど、やはり本編で俺が感じた死神関係の謎に答えは与えてくれませんでした。むしろ、こちらの方は結末や人物の行く末の帰結が理屈の上でもきちんと筋が通っているので、より一層第四章の結末には疑問を投げかける結果になった気がする。
 ストーリー的に、泣けます。第四章よりむしろこっちの方がやばいかもね。



○総評

 総括すれば神ゲー最高。泣きゲー要素ありだけど、全体的には死にまつわるある村の夏って感じでよくできてる。
 ただ、物語の結末部分で少しなんで?って部分がいくつかあるのでそういうとこ気になる人には釈然としない終わり方かもしれない。
 自分も結構そういう部分目に付いちゃう人間だしそこは納得してないけど、それでもこの素晴らしい世界感と物語には純粋に高評価を与えざるを得ない感じ。

 総じてストーリー重視のゲーム、萌えとか恋愛って要素もあるけどそれがメインではない。
 廉価版が出てる今、とりあえず買えよやれ!と人に言える数少ない作品だと思います。


 最後に、水夏を上手くレビューしてる方がいらっしゃるのでこちらも紹介。ところどころに差はあるけど、趣味趣向や考え方は自分とも近い気がする。

second heroine様の水夏レビュー


 ストーリーメイン、悲しく切ない夏の出来事。だけど、心に残る夏。それが水夏。


 なんだけど、最後の最後に声を大にして言いたいのは萌ちゃん可愛い可愛い過ぎる!!
posted by シュレディンガーの猫 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム(美少女・R18) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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